日本から4時間半ぐらいで行くことができる香港は、人気の海外旅行先のひとつですよね。僕も、観光、仕事、乗り継ぎなどで何度も足を運びました。温暖で、活気があって、食べ物が美味しくて、観光スポットもショッピングモールも盛りだくさん♪
とはいえ、旅行中にあれもこれもと欲張ると、結構出費がかさみますよね。。。
賢い旅行者として、できるだけリーズナブルに旅行を楽しむことができればうれしいですよね!
旅行で必要な費用のうち、大きいのは航空チケット代と宿泊費だと思います。このうち、航空チケットは昨今の格安航空会社をはじめとした価格競争により、かなりリーズナブルになってきました。一方、中国本土からの観光客の増加により、香港のホテルは年々値上げ傾向にあります。しかもそこそこ料金のするホテルでも、部屋が狭くて汚いこともしばしば。。。
そんななか、僕が費用対効果が高くてお得だと実感しているのは、ゲストハウスへの宿泊です。とくに九龍側の中心地、尖沙咀 (チムサーチョイ)にある重慶マンションにはゲストハウスがたくさん入っています。利便性の高い場所にリーズナブルな価格で宿泊できます。
では、この重慶マンション、いったいどんなところなのでしょうか?
重慶マンションってどんなところ?
九龍側の尖沙咀 (チムサーチョイ)、ネイザンロード沿いの一等地にそびえ立つ、両替屋、雑貨屋、スマホショップ、カレー屋などが軒を連ねる巨大な雑居ビルです。中華系、インド系、アラブ系、アフリカ系、白人バックパッカーなどが行き交うさまは、混沌という表現がハマります。
ネイザンロード沿いから見ると、どこからどう見ても巨大な一つのビルですが、実はA棟〜E棟(A座〜E座)まで5棟に分かれていて、最高階は17階。1階(GF)を除いて各棟の横の移動は基本的にはできない構造となっています。(が、僕があるゲストハウスに宿泊しようとした際に、満室だからと近くのゲストハウスを紹介されましたが、移動する際にいったん屋外のスペースに出たりしたので、実際には横移動可能な箇所があるかと思われます。)
一階の入り口付近に両替屋が密集しており、レートが良いことで有名です。しかしながら、なかにはレートの悪い両替屋も混ざっているので、実際に両替する際には店頭に掲示されているレート表を見比べてみて、レートの良いお店を選んで両替すると良いかと思います。
一階奥は雑貨屋やカレー屋などがひしめきあっています。
上階には、2,000円ぐらいから宿泊可能なゲストハウスやホテルがたくさんあります。
重慶マンションが舞台の物語
こんな感じでフォトジェニック(?)な重慶マンション、映画監督や小説家が放っておくわけがなく、映画や小説にたびたび登場します。代表的なのものは以下のとおり。
恋する惑星(映画):
原題「重慶森林(Chunking Express)。映画「いますぐ抱きしめたい」、「楽園の瑕」などで知られる1990年代を代表する映画監督ウォン・カーウァイの作品。ある二組のカップルの出会いをめぐるドラマを、独特の映像感覚で綴っています。
物語は前半と後半にわかれていて、重慶マンションが登場するのは前半の金城武×ブリジット・リンのパート。金髪女性(ブリジット・リン)が属する麻薬密売組織のアジトという設定で描かれています。相手役の金城武はこの映画を契機にブレイクしましたね。
深夜特急(小説、全6巻):
ノンフィクション作家である沢木耕太郎氏による自伝的紀行小説で、香港を舞台にした物語は第1巻で描かれています。主人公である「私」は、インドまで行くフライトの経由地として香港へ飛び、重慶マンションにあるゲストハウスに長期滞在します。ゲストハウスで出会った様々な人たちの人間模様が瑞々しく描かれています。この小説に影響されてふらり海外一人旅に出た人は数知れず。僕もモロに影響された一人です。
インドまで行くフライトの経由地として滞在した香港、バンコク、そしてインドのカルカッタ(コルカタ)から陸路ロンドンまでを、バックパッカーとして旅した筆者自身の体験に基いて描かれています。
深夜特急(ドラマ):
上記の深夜特急(小説)は、ドキュメンタリーとドラマをミックスさせるというおもしろい試みでテレビドラマ化もされています。その際に、重慶マンション内のゲスト・ハウス「快楽招待所」が撮影に使用されました。このときに主演の大沢たかお氏が実際に宿泊した「龍匯賓館(ドラゴン・イン)」のレセプションには、「深夜特急」のポスターが飾ってあります。
重慶マンションのゲストハウスに泊まってみた
旅行したいけど出費は抑えたいとき、僕はこの龍匯賓館(ドラゴン・イン)をよく利用していました。
重慶マンションのエレベーターは、各棟2機ずつで、偶数階行き、奇数階行きに分かれているトリッキーな仕様なので、待ち時間が結構かかるし、混んでいてすぐに乗れないときがあります。
ドラゴン・インは、B棟3階にあります。3階ならば楽に階段で上り下りできる階数なので、日々の上り下りにすごく便利でした。階段はこんな感じで、おっかないんですけどね。
謎の赤い跡があちこちにあります。ビンロウの跡かな~
慣れれば平気です。
部屋の種類によりますが、基本的に、エアコン、ホットシャワー、トイレ、テレビがついています。Wi-Fiも無料で使えます。部屋は狭いですが清潔で、寝るだけなら快適に過ごせます。お値段は180HKD~となっていますので、普通のホテルに泊まるよりだいぶコストを抑えることができます。
重慶マンション内には、規模・ランクの異なる様々なゲストハウス・ホテルがありますので、旅の予算に応じて宿泊先を選択することができます。
重慶マンションへの行き方
MTR尖沙咀駅(チムサーチョイ駅)で下車、G出口を出たらネイザンロード沿いに南へ進みます。
徒歩1、2分ぐらいで左手に見えてきます。
街のど真ん中にあります。
おわりに
最近はその立地の良さが注目され、2階にファストフードの大家楽が入ったり、地下にショッピングモールができたりして、怪しい雑居ビルからの脱却が図られています。当局の規制により、怪しい客引きもだいぶ減ってきました。
普通のホテルに泊まるよりだいぶコストを抑えることができますので、「とにかく安く便利な場所に宿泊したい!」というみなさんは、試しに宿泊してみてはいかがでしょうか?結構ハマるかもしれません。
「宿泊するのはちょっと、、、」というみなさんは、香港らしい混沌を街中で体感できる場所なので、両替のついでにビルの中をちょっとのぞいてみるのもおもしろいと思いますよ。
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